コンサルの育成をはじめて、もうすぐ1年になる。
最初は「自分の知っていることを渡せばいい」と思っていた。15年分のノウハウを体系化して、マニュアルにして、順番通りに教えれば人は育つのだと。
甘かった。
人はマニュアルでは育たない。少なくとも、この仕事では。
占いもヘアメイクも、最後の最後は「その人をどう見るか」にかかっている。テクニックは教えられる。知識も渡せる。でも「目の前の人を見る目」だけは、本人が獲得するしかない。
ある生徒が、鑑定の練習中に泣き出したことがあった。クライアント役の話を聴いているうちに、自分の過去と重なってしまったらしい。
「すみません、プロ失格ですよね」と言うその子に、私は何も言えなかった。
プロ失格だなんて思わなかった。ただ、その涙を見て、自分がいつから泣かなくなったのかを考えていた。
教えているようで、教わっている。壊しているようで、壊されている。育成というのは、そういう双方向の営みなのだと、最近ようやくわかってきた。
答えを持っている人が「先生」なのではない。一緒に問いの中に立てる人が、きっとそう呼ばれるに値する。
まだまだ、道の途中。
