カードが「逆位置」で出たとき、何をしている?

タロットを学び始めた人が、最初にぶつかる壁のひとつ。

逆位置。

正位置はまだしも、逆位置の意味が、覚えられない。本によって解釈も違う。「弱まった正位置」「否定」「過剰」「裏返し」。どれを採用すればいいのか、分からなくなる。

今日は、15年カードを引いてきた私が、逆位置をどう読んでいるかをお話しします。

目次

逆位置は、「反対の意味」ではありません。

いちばん最初に、捨ててほしい考え方があります。

「正位置=ポジティブ、逆位置=ネガティブ」

これは、単純化されすぎた考え方で、実際の鑑定では、ほとんど役に立ちません。

逆位置は、正位置の「反対」ではなく、正位置の「別の側面」です。

たとえば、正位置の「太陽」が「明るさ、成功、祝福」なら、逆位置の「太陽」は「暗闇」ではなく、「まだ隠れている光、これから昇る太陽、内側の小さな希望」。

正位置と逆位置は、同じカードの、別の角度からの物語です。

私が使う、4つの読み方。

実際の鑑定で、私は逆位置を次の4つのうち、どれかで読みます。

① 潜在化

正位置の意味が、表に出ず、まだ奥に隠れている状態。

例:逆位置の「恋人」→ 恋愛関係はあるが、まだ表面化していない、本人が自覚していない好意。

潜在化で読むタイミングは、質問が「これから」を聞いているとき。

② 過剰

正位置の意味が、強すぎて、歪んでいる状態。

例:逆位置の「皇帝」→ 権力の行き過ぎ、支配欲、頑固さ。

過剰で読むタイミングは、質問が「人物の性質」を聞いているとき。

③ 停滞

正位置の意味が、動かずに、その場で止まっている状態。

例:逆位置の「戦車」→ 進みたいのに、進めない。ハンドルが効かない、方向性が定まらない。

停滞で読むタイミングは、質問が「プロセス、進み具合」を聞いているとき。

④ 別角度

正位置と、まったく違う視点から見たときの意味。

例:逆位置の「死神」→ 終わりではなく、逆に「終わらせられない」「終わりを認めたくない」という心情。

別角度で読むタイミングは、質問が「感情、内面」を聞いているとき。

どれを選ぶかは、周りのカードが教えてくれる。

「じゃあ、いつどの解釈を選べばいいんですか?」

これは、よく聞かれる質問です。

答えは、シンプル。

周りのカードを見る。

逆位置のカード1枚だけを見つめていても、どの読み方が合うのかは、分かりません。

でも、その前後左右に並んでいるカードを見ると、その逆位置が「潜在化」で語っているのか「過剰」で語っているのかが、自然に見えてくる。

スプレッド全体が、ストーリーを作っています。そのストーリーの流れの中で、逆位置はどの役を演じているか。

これを読む、というのが、占い師の仕事です。

逆位置を、怖がらないで。

初心者の多くが、逆位置で混乱するのは、「悪い意味を探さなきゃ」と焦っているから。

でも、逆位置は、悪い意味のカードではありません。

カードが「少し違う角度から語りたい」と思ったときに、逆位置になって出てくる。

それは、カードからの、少し深い、サインです。

怖がらずに、落ち着いて、「今回は、どの読み方で語ろうとしているのか」を、問いかけてみる。

カードは、必ず、答えを返してきます。

逆位置を使わないのも、一つの流派。

補足として、お伝えしておくと。

タロット占いには、「逆位置を使わない」流派も存在します。

カードを引くときに、すべて正位置に直してから読む方法。これは、カードの意味を深く知り尽くしている占い師が選ぶ、ひとつの完成形でもあります。

1枚のカードには、正位置の中にも「強いとき」「弱いとき」「偏っているとき」「成熟しているとき」という、多様な表情があります。

それを、1枚のカードの中から読み取れれば、逆位置を使う必要がない。

ただし、これは上級者向け。

初心者のうちは、逆位置を使うほうが、むしろ読みやすいと、私は思っています。

今日の、簡単な練習。

これを読んでくださった方に、小さな宿題を。

お手元のデッキから、好きなカードを1枚、選んでください。

そのカードを、正位置で1分、じっと眺める。

そのあと、ひっくり返して、逆位置で1分、眺める。

逆位置のとき、そのカードの絵の中で、今まで気づかなかった「どこか」に、目が行くはずです。

雲の向きだったり、登場人物の視線だったり、剣の角度だったり、背景の色だったり。

それが、そのカードが逆位置で語りたかった「別の側面」です。

辞書を引く前に、まず、絵の中から、カード自身が語りかけてくる声を、聴いてみてほしい。

カードを、もう一度、信じてあげる。

逆位置が出ると、「悪い意味が出た」「なんか嫌だな」と、反射的に思ってしまう人が多い。

でも、カードにとって、そこに逆位置で出ることには、ちゃんとした理由がある。

ただ、ひっくり返って、あなたを困らせようとしているのではない。

「この角度から、見てほしい」
「この側面を、伝えたい」
「この時期は、この顔で、話したい」

そう言いながら、そこに座っている。

逆位置のカードは、あなたを試しているのではなく、もうちょっと、丁寧に話を聞いてほしいだけ。

次に逆位置が出たときは、パニックにならず、腰を据えて、カードに問いかけてあげてください。

「今日は、どの顔で、話したい?」

そう聞くと、カードは、ちゃんと答えてくれます。

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